アンチェインドコメディ

2005-08

那須与一

時は源平争乱、屋島の合戦。

船にて海上に陣を張った平家方から、陸側の源氏方に1艘の
小船が近づいて来た。船上にはひとりの女が竿の先端に
日の丸の扇を付けて立っていた。

「この扇を射落としてみよ」

という平家方の挑発であった。

そこで源義経は弓の名手、那須与一宗高(なすのよいちむねたか)
に扇を射抜くことを命じた。

「南無八幡大菩薩…この矢、外させ給うな…ああああっ!」

神仏に祈り扇を仕留めようとした余一であったが、竿を持つ女が
実は青木さやかであったため、つい青木を射抜いてしまった。

「どこ撃ってんのよーッ!」

悪魔の断末魔のような禍々しい絶叫が海に響き、青木は倒れた。
余一はすぐさま我に返り、義経に詫びを入れた。

「殿、申し訳ございませぬ。ついカッとなって…」

「余一、扇を射落とさなければだめではないか!」

「今一度、初めからやり直しさせて頂きとうございます。まず
 青木を手当て致しますゆえ」

「お前に出来るのか」

「は。応急救護にいささか心得がございます」

「ふーむ。それは初耳である」

「ナースの余一。なんちゃって」

「お前が的になれ」

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